昭和二十年八月十二日−十四日
(付八月二十一日−九月十四日)


 

大本營發表(昭和二十年十二日十五時三十分)

一、滿鮮方面の我軍は滿洲國軍と共に八月十一日東正面に於ては概ね雄基・琿春及穆稜の線に西正面に於ては海拉爾・索倫及醴泉附近に進出せる「ソ」軍を邀へ激戰展開中なり

二、我潜水部隊は八月十一日午後沖縄南東海面に於て敵輸送船團を攻撃しその三隻を撃沈せり

 

大本營發表(昭和二十年八月十三日十七時)

我潜水部隊は八月十二日夕刻沖縄南東海面に於て敵大型水上機母艦を攻撃之を撃沈せり


大本營發表(昭和二十年八月十四日十時三十分)

我航空部隊は八月十三日午後鹿島灘東方二十五浬に於て航空母艦四隻を基幹とする敵機動部隊の一群を捕捉攻撃し航空母艦及巡洋艦各二隻を大破炎上せしめたり


大本營及帝國政府發表(昭和二十年八月二十一日十三時)

 聯合國最高司令官の通報に基き聯合軍の第一次進駐等に關し所要の打合を爲さしむるため今般陸軍中将河邊虎四郎に對し全權御委任状を御下附相成りたり
 同全權委員及随員は八月十九日馬尼刺に向け出發し同地に於て所要の會談を遂げ本二十一日朝東京に歸着せり

大本營及帝國政府發表(昭和二十年八月二十二日五時)

一、聯合軍の第一次本土進駐部隊は八月二十六日より逐次東京灣周邊地域の一部に到着する豫定なり
二、右進駐に當り紛争を避くる爲左の通實施することに定めらる
(イ)概ね千葉縣鴨川東側、千葉市、多摩川河口、府中、八王子、大月、伊豆半島南端を連ぬる線内の地域に在る我が武装軍隊は成るべく速に該地域外に撤収せしめらる
(ロ)右地域内には我方の一般警察の外武装警察、憲兵及海軍保安隊を配置し治安維持を強化す
(ハ)右地域内の官廳公共團體等の機能は平常通にして住民も亦従前通の平静なる日常生活を經續すべきものとす但し混亂豫防等の爲臨機統制を要する事項に就ては其の都度一般に公示す
尚聯合軍と我方との接触は別に設置せらるる機關を經て行はる
三、聯合軍部隊の第一次進駐行動は概ね左の如く豫定せらる
 八月二十五日より本土上空に飛行を開始す
 八月二十六日朝以降厚木飛行場へ空輸先遣部隊到着より同日聯合國艦隊相模灣に、其の一部輕快部隊東京灣に入港す、
 八月二十八日以後逐次空輸及海上輸送を以て厚木及横須賀附近より兵力を進駐す

大本營及帝國政府發表(昭和二十年八月二十二日十五時三十分)

曩に終戦の聖斷を下ふ給ふや直ちに陸軍少将春仁王を南方に、陸軍中佐孚彦王を支那に、陸軍中佐恒徳王を滿洲に特派、各陸海軍最高指揮官に對し夫々聖旨及停戰に關する大命を傳達せしめられたり

大本營及帝國政府發表(昭和二十年八月二十四日十七時三十分)

南九州鹿屋地區に對する聯合軍第一次進駐部隊は九月一日其の先遣部隊を以て飛行機により鹿屋飛行場に九月二日主力を以て同飛行場及び同地西方海岸高須附近より空輸及び海上輸送により進駐す
右聯合軍との紛争を避けしむる爲同地區周邊の我武装軍隊は撤収せしめらる

大本營及帝國政府發表(昭和二十年八月二十六日十一時)

本八月二十六日以降實施豫定の聯合國軍隊第一次進駐日程中聯合國艦隊相模灣入港以外は夫々四十八時間延期せられたり

帝國政府發表(昭和二十年八月廿九日十四時三十分)

聯合國軍第一次進駐部隊の行動に關し左の通り追加す
米國第八軍の一部兵力を以て九月一日より横濱及び館山に上陸を開始す

帝國政府發表(昭和二十年八月卅一日十五時)

横浜及び館山上陸變更の件
九月一日横濱及館山に上陸の豫定なりし第八軍の一部はその主力の上陸を横濱においては九月二日、館山においては九月三日に變更せられたり

帝國政府發表(昭和二十年九月一日十五時)

一、九月七日米陸軍第二十四軍所属部隊は朝鮮京城地區に進駐す
二、右に関し仁川東水道十マイルの地域にある総ての船舶および艦艇は九月五日十八時以降航行を禁止せられ、また右地域並に仁川港を中心とする十二マイルの地域内にある日本軍隊は九月六日迄に撤退す
三、右撤退地域内においては我警察官、憲兵等の要員を駐留せしめ治安の維持に任ぜしめらる

 

   帝國政府發表(昭和二十年九月四日十一時)

一、米陸軍一万五千四百六十名は九月五日より同七日までの三日間に左の通り進駐することとなれり
(イ)九月五日 神奈川縣平塚市及大磯町地區に六千五百名
(ロ)九月六日 神奈川縣小田原市地區に二千二百五十名
(ハ)九月七日 静岡縣御殿場町地區に一千百二十名
(ニ)九月七日 東京都八王子市地區に三千三百五十名



帝國政府發表(昭和二十年九月六日十一時)
一、米陸軍騎兵第一師團兵員八〇〇〇名は來る九月八日東京地區に進駐到着することとなれり
二、右地區内においては正常の秩序維持のため我方の警察官、憲兵配置せらる
三、右地區内の官廳、公共團體等の機能は平常通にして、住民もまた従前通の平静なる日常生活を継續すべきものとす
 尚進駐軍と我方との折衝は終戦連絡中央事務局を經て行はる

帝國政府発表(昭和二十年九月六日十六時三十五分)

一、米國北太平洋艦隊司令長官九月八日青森縣大湊へ到着す
二、七日大湊に至る入港水道の掃海を実施す

陸海軍省發表(昭和二十年九月十四日)

帝國大本營は九月十三日是を廢止せられたり




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