昭和二十年三月二十一日


 

大本營發表(昭和二十年三月二十一日十二時)

 
一、  硫黄島の我部隊は敵上陸以來約一箇月に亘り敢鬪を繼續し殊に三月十三日頃以降北部落及東山附近の複廓字陣地に據り凄絶なる奮戰を續行中なりしが、戰局遂に最後の關頭に直面し「十七日夜半を期し最高指揮官を陣頭に皇國の必勝と安泰とを祈念しつつ全員壮烈なる總攻撃を敢行す」との打電あり、爾後通信絶ゆ
二、 敵兵同島上陸以來三月十六日迄に陸上に於て之に與へたる損害約二萬三千名なり

 


 


 

 

 

   大本營發表(昭和二十年三月二十一日十五時三十分)

 

 敵機動部隊は昨二十日朝來南方に向け避退中なり我航空部隊は此の敵を急迫戰果擴充中にして昨二十日収め得たる戰果中現在までに確認せるもの次の如し

 撃沈 正規航空母艦 一隻
 撃破 正規航空母艦 一隻

 


 



硫黄島守備隊栗林中将は大本営に決別電報を打電させた後、26日総攻撃を行い自決。硫黄島の組織的抵抗は終了した。陸軍戦死者12850名、海軍戦死者7050名、合計19900名。捕虜帰還者1033名。対するアメリカ軍の被害は海上を含まず、戦死6821名、負傷21865名、合計28686名。

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