大本營發表(昭和二十年二月二日十七時二十分)
ルソン島における其の後の戰況次の如し
一、 リンガエン灣方面に上陸せる七、八箇師団の敵は其の主力を以て依然バンガシナン平地東方山地帯の我陣地を攻撃するとともに約二箇師団を以て逐次マニラ灣方面に南下し其の一部は一月下旬クラーク地区の前面及サンフェルナンド附近に進出せり。別に一部の敵は一月三十日スビック灣附近に上陸せり 二、 バンガシナン平地東方地區の我部隊は敵に大なる損害を與へたる後一月下旬サンファビアン附近よりカバラン山に亘る陣地を撤し爾後ダモルテス附近よりロザリオ東方を經てサンマネル附近に亘る戰線に於て敵の攻撃を撃摧しつつあり。亦一月十六日以來カバラン山東北方地區に侵入し來れる敵機甲部隊を邀撃撃戰中なり。
我戰車部隊の一部は一月二十七日夜ザンマネル附近の敵部隊に對し果敢なる夜襲を決行之に大なる損害を與へたり三、 リンガエン灣方面に上陸せる敵に對し與へたる損害中現在迄に判明せる主なるもの次の如し
人員殺傷約一萬一千二百名、破壊又は鹵獲せる兵器戰車百十四輛、各種火砲七十一門