十八年二月九日

大本營發表(昭和十八年二月九日十九時)  

一、南太平洋方面帝國陸海軍部隊は昨夏以來有力なる一部をして遠く挺身せしめ、敵の強靭なる反攻を牽制破碎しつつ其の掩護下にニューギニア島及ソロモン群島の各要線に戰略的根據を設定中の處既に概ね之を完了し茲に新作戰遂行の基礎を確立せり

二、右掩護部隊としてニューギニア島のブナ附近に挺進せる部隊は寡兵克く敵の執拗なる反撃を撃攘しつつありしが其の任務を終了せしに依り一月下旬陣地を徹し他に轉進せしめられたり
同じく掩護部隊としてソロモン群島のガダルカナル島に作戰中の部隊は昨年8月以降引續き上陸せる優勢なる敵軍を同島の一角に壓迫し激戰敢鬪克く敵戰力を撃摧しつつありしが其の目的を達成せるに依り二月上旬同島を徹し他に轉進せしめられたり
我は終始敵に強壓を加へ之を慴伏せしめたる結果兩方面とも掩護部隊の轉進 は極めて整齊確實に行はれたり

三、現在までに判明せる戰果及我が軍の損害は既に發表せるものを除き左の如し

(一)敵に與ヘたる損害
人員 二五〇〇〇以上
飛行機 撃墜破 二三〇機以上
火砲 破壊 三〇門以上
戰車 破壊炎上 二五台以上
(二)我方の損害
人員 戰死及戰病死 一六七三四名
飛行機 自爆及未歸還 一三九機

 




 

 

 


昭和17年8月18日陸軍一木支隊がガダルカナル島に上陸して以来、川口支隊、第2師団、第38師団と逐次投入により陸海軍合せて約31000名の総兵力に膨れ上がった同島守備隊は、半年にわたる戦闘で潰滅、約20000人の将兵が戦死或いは餓死した。2月1日から7日まで三次にわたって行われた撤退作戦により10652名が救出された。

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