12月10日

大本營陸海軍部發表(十二月十日午前十時十分)  

帝國陸海軍は十日未明緊密なる共同のもとに比島に對し上陸作戰を敢行し目下着々戰果擴張中なり


大本營海軍部發表(十二月十日十時十分)

帝國海軍艦艇は八日午前パラオ港外において敵潜水艦一隻に對し的確なる爆雷攻撃を加へこれを撃沈せるものの如し
(註)潜水艦の撃沈明確なりと認むる場合といへどもこれを目撃し得ざる場合多きにつき撃沈せるものの如しと發表す



大本營海軍部發表(十二月十日午前十一時三十分)  

一、帝國海軍航空部隊は九日午前敵の猛烈なる照射反撃を冒し比島空軍基地ニコルス飛行場に對し夜間爆撃を敢行し飛行機格納庫を爆破し、二箇所に大火災を生ぜしめたり

二、帝國潜水艦は九日午前マニラ灣において米國軍用船(一五〇〇〇トン)を撃沈せり

三、帝國海軍艦艇は八日午前香港南方海面において英國武装商船ベネブ(六〇〇〇トン、八サンチ砲二門搭載)を拿捕せり



大本營陸海軍部發表(十二月十日午後二時二十分)  
帝國陸海軍は本十日未明緊密なる協同のもとに敵の抵抗を排除してグアム島の上陸に成功せり


大本營海軍部發表(十二月十日午後四時)  
本十日聯合艦隊司令長官山本五十六に左の勅語を賜りたり
勅語

聯合艦隊ハ開戰劈頭善謀勇戰大ニ布哇方面ノ敵艦隊及航空兵力ヲ撃破シ偉功ヲ奏セリ
朕之ヲ嘉尚ス将兵益々奮勵シテ前途ノ大成ヲ期セヨ


大本營海軍部發表(十二月十日午後四時五分)  
帝國海軍は開戰劈頭より英國東洋艦隊、特にその主力艦二隻の動静を注視しありたるところ、昨九日午後帝國海軍潜水艦は敵主力艦の出動を發見、時後帝國海軍航空部隊と緊密なる協力の下に捜索中、本十日午前十一時半マレー半島東岸クワンタン沖において再びわが潜水艦これを確認せるをもって、帝國海軍航空部隊は機を逸せずこれに對し勇猛果敢なる攻撃を加へ、午後二時二十九分戰艦レパルスは瞬間にして轟沈し、同時に最新鋭艦プリンス・オブ・ウエールズは忽ち左に大傾斜暫時遁走せるもまもなく同二時五十分大爆發を起し遂に沈没せり、ここに開戰第三日目にして早くも英國東洋艦隊主力は全滅するに至れり


大本營海軍部發表(十日午後六時五十分)
開戰以來現在までのわが方の損害は飛行機三十八機にして、艦艇には一隻の喪失もなし


大本營海軍部發表(十二月十日午後七時半)
本日軍令部總長および海軍大臣は聯合艦隊司令長官並に馬來方面作戰艦隊司令長官、航空部隊指揮官に對し左の祝電を發せり
海軍〇〇航空部隊が英國東洋艦隊主力の新鋭戰艦二隻に對し見事なる攻撃を加へ忽ちにしてこれを爆沈し以て帝國海軍航空威力を中外に宣揚せるを慶祝す


大本營陸軍部發表(十二月十日午後七時四十五分)
一、八日開戰以來十日に至るわが陸軍部隊の損害は、各方面を合し輸送船の撃沈せられたる、損傷をうけたるもの各二隻にして、右はいづれも部隊上陸後の空船なり

二、なほ右の間における陸軍機にしていまだ歸還せざるもの十三機なり



大本營海軍部發表(十二月十日午後十時五分)
南支方面帝國艦艇は十日午前九時香港灣口に肉薄し敵哨戒艦セント・モナス型一隻を撃沈せり




マレー沖海戦でサイゴン基地の元山空、美幌空、ツドウム基地の鹿屋空からの中攻、陸攻計85機の攻撃により、イギリス東洋艦隊の戦艦プリンス・オブ・ウエールズ(36830トン)、レパルス(32000トン)を撃沈。日本側の未帰還3機。

陸軍南海支隊と海軍陸戦隊がグアム島に、海軍陸戦隊はギルバート諸島、タラワ、マキンに上陸。

陸軍第14軍(本間雅晴中将)の一部がフィリピンルソン島に上陸開始。同島沖で陸軍輸送船高雄丸(大阪商船 4282トン)撃沈。
上陸作戦で、軽巡名取小破、掃海艇第19号大破擱座、掃海艇第10号沈没。

ハワイ附近で伊70潜水艦は空母エンタープライズ艦載機の攻撃により撃沈。

オランダ、対日宣戦。日本政府は黙殺。(昭和17年1月11日宣戦布告)


 

戻る